株式投資や市場ニュースを見ていると、「現渡し(げんわたし)」という言葉を目にすることがあります。
一見するとFX(外国為替証拠金取引)とは関係なさそうですが、リスク管理・ポジション調整・ヘッジという点ではFXにも通じる重要な考え方です。
この記事では、現渡しの仕組みから、FXトレーダーが学ぶべきポイントまでを初心者向けにわかりやすく解説します。
現渡しとは何か?
現渡しとは、信用取引で売り建てた株式を決済する際に、買い戻しをせず、実際の株式を差し入れて決済する方法です。
「品渡し(しなわたし)」と呼ばれることもあります。
通常、信用取引の空売りは、
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株を買い戻して差額で決済する
という方法が一般的です。
しかし現渡しでは、同じ銘柄・同じ株数の株式を現物で返却することで決済します。
なぜ現渡しという方法があるのか?
制度信用取引では、6か月以内に決済しなければならない期限があります。
その間に株価が思ったように下がらず、
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買い戻すと損失が確定してしまう
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いったんポジションを整理したい
という場面で使われるのが現渡しです。
すでに保有している現物株、または別の方法で取得した株を使うことで、市場での買い戻しを行わずに決済できます。
現渡しと現引きの違い
現渡しとセットで覚えておきたいのが「現引き(げんびき)」です。
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現渡し:信用売りを、現物株を渡して決済する
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現引き:信用買いを、自己資金で株を引き取って決済する
どちらも差額決済ではなく、実物を伴う決済方法という点が共通しています。
つなぎ売りと現渡しの関係
現渡しがよく使われる代表的な取引が、つなぎ売りです。
つなぎ売りとは、
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現物株を保有している
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株価下落が不安
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現物を売らずに、同銘柄・同株数を信用売りする
という、価格変動リスクを抑えるためのヘッジ取引です。
もし予想に反して株価が上昇した場合、
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現物株は含み益
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空売りは含み損
となり、損益が相殺されます。
この状態で、保有している現物株を使って現渡しを行えば、損失を確定させずに信用取引を終了できます。
FXトレーダーが現渡しから学べること
FXには「現渡し」という制度そのものはありません。
しかし、考え方はFXの実務に非常に近いものがあります。
共通するポイント
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反対売買だけが決済方法ではない
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ポジション全体でリスクを管理する
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利益と損失をどう相殺するかを考える
FXで言えば、
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現物に近い長期ポジション
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短期の逆張りポジション
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複数ポジションでのヘッジ
といった考え方に通じます。
FX取引での具体的なシチュエーション例
たとえば、
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中長期でドル円を買い保有
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短期的に円高リスクが高まる
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一時的にドル円を売ってヘッジ
このような取引は、つなぎ売りのFX版とも言えます。
現渡しという制度はなくても、リスクを限定する発想そのものはFXでも非常に重要です。
現渡しの注意点とリスク
現渡しにも注意点があります。
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現物株を保有していないと使えない
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株主優待や配当の権利関係に注意が必要
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制度信用のルール変更リスク
FXと同様、仕組みを理解せずに使うと、思わぬ不利益につながる可能性があります。
まとめ|現渡しは「決済の選択肢」を広げる考え方
現渡しは、信用取引における特殊な決済方法ですが、
本質は「どうやって損失をコントロールするか」というリスク管理の考え方です。
FXで安定した取引を行うためにも、
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反対売買だけに頼らない
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ポジション全体で考える
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逃げ道を複数用意する
こうした視点を持つことが重要です。
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