相殺とは

相殺(そうさい)とは?|保険や交通事故で使われる「過失相殺」の意味と仕組み

**相殺(そうさい)**とは、法律上、二人がお互いに同じ種類の債権を持っている場合に、その金額分を差し引いて精算することをいいます。
例えば、AさんがBさんに10万円を貸しており、同時にBさんもAさんに5万円を貸している場合、相殺を行うとAさんはBさんに対して差額の5万円だけを請求すればよくなります。

保険でよく使われる「過失相殺」とは?

保険の世界では、「相殺」という言葉が特に交通事故の場面でよく登場します。これが**過失相殺(かしつそうさい)**です。

過失相殺とは、事故の発生や被害の拡大について当事者双方に過失がある場合、損害額を公平に分担するための仕組みです。
被害者にも一定の過失があれば、その割合分を損害額から差し引き、加害者の支払う賠償額を減らします。

交通事故での過失相殺の例

たとえば、交差点で車同士が衝突した場合を考えてみましょう。

  • 加害者A:赤信号を無視して進入(過失70%)

  • 被害者B:スマートフォンを見ながら運転しており、危険回避が遅れた(過失30%)

この場合、被害総額が100万円であれば、被害者Bの過失30%分=30万円が控除され、加害者Aが支払う損害賠償額は70万円となります。

過失割合の判断基準

過失相殺の割合を決める際は、民法に基づいて、運転者や歩行者がそれぞれに求められる注意義務を果たしていたかどうかが考慮されます。
判断には、警察の事故状況報告や現場検証、過去の裁判例などが参考にされます。

例えば、歩行者が横断禁止場所を渡っていた場合や、自転車が夜間に無灯火で走行していた場合なども、過失相殺の対象となる可能性があります。

まとめ

  • 相殺=お互いの債権を差し引いて精算すること

  • 過失相殺=事故の損害額から、被害者側の過失割合に応じて控除する仕組み

  • 主に交通事故の損害保険の計算で用いられ、民法に規定されている

  • 公平性を保つため、過失割合は注意義務違反の有無などを考慮して決定される

保険や交通事故の話題で「過失相殺」という言葉が出てきたら、**「お互いの過失を考慮して損害額を調整する仕組み」**と覚えておくと分かりやすいでしょう。

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