老後の生活設計を考える上で重要な年金制度が「老齢厚生年金」です。
会社員や公務員など、厚生年金保険に加入していた人が対象となり、老齢基礎年金に上乗せして支給されます。
この記事では、老齢厚生年金の仕組み、受給開始の条件、年金額の計算方法、繰上げ・繰下げ制度 までわかりやすく解説します。
老齢厚生年金とは?
老齢厚生年金は、厚生年金保険に加入していた方が、老齢基礎年金の受給資格を満たした場合に受け取れる年金です。原則65歳からの支給となり、老齢基礎年金に上乗せされるため、自営業者やフリーランスに比べて年金額が多くなる のが特徴です。
受給資格
老齢厚生年金を受給するには、以下の条件を満たす必要があります。
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老齢基礎年金の受給資格(納付済・免除期間を含めて10年以上の加入期間)があること
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厚生年金保険に加入していた実績があること
つまり、厚生年金に1か月以上でも加入していれば対象になります。
年金額の計算方法
老齢厚生年金の金額は、加入期間や報酬額によって変わります。具体的には、
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報酬比例部分:現役時代の給与や賞与に応じて計算
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加給年金(配偶者や子が一定条件を満たす場合に上乗せ)
などが含まれます。厚生年金は「働いた分だけ将来の年金が増える仕組み」であるため、加入期間が長く、収入が高いほど受給額も大きくなります。
繰上げ受給と繰下げ受給
老齢厚生年金には、受給開始年齢を変更できる制度があります。
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繰上げ受給(60歳〜65歳未満で開始)
早めに受け取れる代わりに、年金額は一生減額されます。 -
繰下げ受給(66歳〜75歳まで開始可能)
受給を遅らせることで、年金額は増額されます。長生きするほど有利になります。
具体例
たとえば、60歳で繰上げて受給を開始すると、65歳開始よりも年金額は大幅に減額されます。
一方で、70歳から繰下げて受け取る場合は年金額が増え、老後資金に余裕が生まれる可能性があります。
まとめ
老齢厚生年金は、会社員や公務員など厚生年金保険に加入していた方が受け取れる、老齢基礎年金に上乗せされる重要な年金です。
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受給開始は原則65歳から
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年金額は報酬額や加入期間で決まる
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繰上げ・繰下げ制度を利用してライフプランに合わせられる
老後の生活を安定させるためには、制度を正しく理解し、早めに自分の受給見込み額を確認して備えることが大切です。
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