脱退一時金(だったいいちじきん)とは、厚生年金基金や確定給付企業年金、確定拠出企業年金などの制度に加入していた人が、中途退職や制度からの脱退をした際、一定の条件を満たすことで受け取れる一時金のことです。
退職金や年金とは別枠で支給される可能性があり、老後資金だけでなく、退職直後の生活資金として役立つこともある制度です。
脱退一時金の対象となる制度
脱退一時金は以下のような企業年金制度で設けられていることがあります。
-
厚生年金基金(2025年現在では多くが解散済みですが、一部は存続)
-
確定給付企業年金(DB)
-
確定拠出企業年金(DC)
いずれも、会社が独自に設ける退職後の生活保障制度ですが、制度や規約によって一時金の支給条件や金額は異なります。
脱退一時金を受け取れる主な条件
制度ごとに細かい基準は異なりますが、一般的には次のような条件があります。
-
加入期間が一定年数以上あること(例:3年以上など)
-
老齢給付金の受給資格を得る前に退職していること
-
企業年金制度から完全に脱退していること
たとえば、確定給付企業年金では「3年以上の加入」「規約で定める年齢に達していない」などの条件が満たされると、脱退一時金が支給されるケースがあります。
支給額の目安
支給額は加入期間や掛金額、運用成果によって異なります。
厚生年金基金では、掛金納付期間に応じて計算されるケースが多く、確定拠出年金(DC)の場合は、運用残高がそのまま支給額になることもあります。
受け取りの流れと注意点
-
退職後に制度運営機関から案内が届く
-
必要書類を提出(本人確認書類や請求書)
-
指定口座に振り込み
注意点としては、脱退一時金を受け取ると、その分の将来の年金受給額が減る可能性がある点です。
また、一時金には**所得税(退職所得扱い)**がかかる場合があるため、手取り額は少し減ります。
具体例:30代での中途退職ケース
たとえば、30歳で5年間勤めた会社を退職し、確定給付企業年金から脱退した場合、加入期間5年分の掛金相当額が一時金として支給される可能性があります。
このお金は老後資金の前倒し受け取りのような位置づけですが、使い道は自由です。
まとめ
-
脱退一時金は、企業年金制度から中途退職などで脱退する際に受け取れる一時金。
-
加入期間や規約の条件を満たす必要がある。
-
受け取ると将来の年金額が減る場合があるため、受給前に制度内容をよく確認することが大切。
さらに参照してください: