設備投資効率とは

設備投資効率とは?計算方法・目安・効率を上げる方法を解説

企業経営において、「設備投資効率」は非常に重要な指標の一つです。

生産設備がどれだけ効率良く付加価値を生み出しているかを把握することで、経営改善や投資判断に役立ちます。

この記事では、設備投資効率の意味や計算方法、目安、そして効率を高める方法についてわかりやすく解説します。

設備投資効率とは

設備投資効率とは、企業の有形固定資産(生産設備や機械など)がどれだけの付加価値を生み出しているかを評価する指標です。

設備投資効率が高い場合、生産設備が効果的に活用されていると判断できます。

逆に効率が低い場合は、設備の稼働状況や投資判断を見直す必要があるでしょう。

設備投資効率の計算方法

設備投資効率は以下の計算式で求められます。

設備投資効率(%)=付加価値額 ÷ 有形固定資産 × 100

付加価値額とは

付加価値額は、企業が生産活動で新たに生み出した価値のことです。計算式の一例は以下の通りです。

付加価値額=人件費+賃借料+租税公課+営業利益
  • 人件費:従業員の給与、賞与、役員報酬、福利厚生費

  • 賃借料:動産・不動産の賃借料

  • 租税公課:法人税や固定資産税など

  • 営業利益:本業の利益

簡便的な計算式として、売上高や費用合計から付加価値額を算出する方法もあります。

有形固定資産とは

有形固定資産は、土地や建物、機械設備などの企業が保有する物理的な資産を指します。計算には期首と期末の平均額を用いるのが一般的です。これにより、設備の増減や減価償却による影響を平準化できます。

設備投資効率の目安

設備投資効率の平均値は業種によって異なります。2022年度の財務省データによると、以下の通りです。

  • 全業種平均:66.1%

  • 製造業平均:78.2%

  • 非製造業平均:62.7%

製造業は設備への投資が利益に直結しやすいため、平均値が高い傾向にあります。自社の設備投資効率を改善する際は、業界平均を目安にすると良いでしょう。

設備投資効率を上げる方法

設備投資効率を改善するには、付加価値額を増やす方法と有形固定資産を減らす方法があります。

1. 付加価値額を増やす

営業利益を伸ばすことが現実的な方法です。具体的には以下が考えられます。

  • 販路拡大やマーケティングの強化で売上を増やす

  • 原価率の改善で利益率を向上させる

  • 無駄な販管費の削減

2. 有形固定資産の圧縮

設備の無駄を削減し、効率的に資産を活用することも重要です。

  • 不要な設備の売却や廃棄

  • 設備投資案件の精査

  • 生産設備の適切なメンテナンスで稼働率を維持

設備の高齢化は生産性や品質低下につながるため、必要に応じて設備の更新も検討しましょう。

設備投資効率で企業の生産設備を評価

設備投資効率は、企業が保有する設備の有効活用度を評価するための便利な指標です。有形固定資産がどれだけ付加価値に貢献しているかを把握できるため、経営改善や投資判断に役立ちます。

自社の設備投資効率を定期的にチェックし、無駄のない投資・運用を心がけましょう。

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