会計処理を行ううえで、毎月の経費項目のひとつである「通信費」は、電話代・インターネット料金・郵便費用など、業務に関わる通信費用を計上するための勘定科目です。
本記事では、通信費の意味や仕訳方法、個人事業主が経費として計上する際のポイントまで、初心者向けにわかりやすく解説します。
通信費とは?
通信費とは、業務で使用する通信手段にかかる費用のことです。
具体的には以下のような費用が含まれます。
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電話料金(固定電話・携帯電話・FAX・テレホンカードなど)
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郵便・宅配関係費用(切手・ハガキ・宅配便・メール便など)
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インターネット関連費用(回線使用料・契約費・クラウドサービス利用料など)
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テレビ・有線放送費用(オフィスや店舗での受信料・BGMなど)
通信費は経理担当者が頻繁に仕訳を行う勘定科目であるため、正しく理解することが重要です。
通信費に該当する主な費用
1. 電話関係の費用
業務で使用する電話や携帯電話の通話料は、通信費として計上可能です。
ポイント: 仕事用とプライベート用が混在する場合は、業務割合に応じた按分が必要です。
例:仕事80%、プライベート20%の場合は、通信費として80%分のみ計上します。
2. 郵便・宅配関係の費用
取引先への郵送や宅配にかかる費用は通信費です。
注意: 宣伝用のダイレクトメールや印紙は通信費として計上できません。また、切手は購入時ではなく使用時に計上します。
3. インターネット関係の費用
インターネット回線使用料、契約時の入会金や工事費、クラウドサービス利用料、レンタルサーバー費用も通信費に含まれます。
4. テレビ・有線放送の費用
オフィスや店舗のテレビ受信料、ケーブルテレビ利用料、BGM用有線放送費用も通信費として計上できます。
通信費の仕訳例
電話料金の仕訳
(例)3月分の携帯電話料金10,000円を口座引き落としで支払った場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 通信費 | 10,000円 | 普通預金 | 10,000円 | 3月分携帯電話料金 |
郵便費用の仕訳
(例)切手84円×10枚を現金で購入した場合
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 通信費 | 770円 | 現金 | 840円 | 切手代 |
| 仮払消費税 | 70円 | – | – | – |
未使用分の切手は期末に貯蔵品として計上します。
インターネット料金の仕訳
(例)インターネット使用料10,000円のうち業務割合80%
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| 通信費 | 8,000円 | 普通預金 | 10,000円 | 4月分インターネット使用料 |
| 事業主貸 | 2,000円 | – | – | プライベート分 |
個人事業主の通信費経費計上ポイント
個人事業主の場合、通信費として経費にできるのは業務使用分のみです。
家庭用と兼用している場合は、家事按分により業務分を計算して仕訳しましょう。
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業務割合50%:通信費に50%計上
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業務割合80%:通信費に80%計上
根拠を明確にしておくと、税務調査の際にも安心です。
まとめ
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通信費は、電話・郵便・インターネット・テレビ・有線放送にかかる業務費用
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個人事業主は業務用のみを家事按分して計上
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仕訳例を参考に、正しい会計処理を行うことが重要
通信費は経理担当者にとって最も基本的な勘定科目のひとつです。正しく処理することで、経営状況の把握や税務申告の正確性向上につながります。
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