個人事業主や不動産収入がある方にとって欠かせないのが確定申告。その中でもよく耳にするのが「青色申告」です。
しかし、「名前は聞いたことがあるけど、具体的に何が違うの?」「自分に必要なのか分からない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、会計の専門家として、青色申告の仕組み、メリット・デメリット、申請方法や白色申告との違いを初心者にもわかりやすく解説します。
青色申告とは?
青色申告とは、不動産所得・事業所得・山林所得を得ている納税者が、複式簿記など正しい記帳方法に基づいて帳簿をつけ、その記録をもとに正しく申告する制度です。
青色申告を選択すると、国税庁が定める水準の帳簿を備え付ける必要がありますが、その分税金面で有利な優遇措置(青色申告特別控除など)を受けられるのが特徴です。
青色申告の主なメリット
青色申告を行う大きなメリットは、節税効果が高いことです。代表的なメリットを見てみましょう。
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✅ 青色申告特別控除
最大65万円(電子申告+複式簿記)の控除が受けられるため、所得税や住民税の負担が軽減されます。 -
✅ 赤字を3年間繰り越せる
事業で赤字が出ても、翌年以降3年間にわたり黒字と相殺でき、税金を抑えられます。 -
✅ 専従者給与を経費にできる
家族が事業を手伝っている場合、その給与を必要経費として計上可能です。 -
✅ 節税しながら信頼性もアップ
しっかり帳簿をつけていることで、融資を受けやすくなるなど事業の信頼性向上にもつながります。
青色申告のデメリット・注意点
一方で、青色申告には次のようなデメリットもあります。
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❌ 帳簿作成の手間がかかる
複式簿記を理解し、仕訳を記録する必要があるため、慣れないうちは負担が大きいです。 -
❌ 書類保存の義務
法人並みに帳簿や領収書を7年間保存しなければなりません。
ただし、最近はクラウド会計ソフトを活用すれば、自動仕訳やレシート読み取りなどで初心者でもスムーズに青色申告を行えます。
白色申告との違い
「白色申告」と比較したときの大きな違いは、税制上の優遇の有無です。
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白色申告:簡単な帳簿で申告できるが、特別控除がない
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青色申告:手間はかかるが、控除や損失繰越など節税効果が大きい
長期的に事業を続ける方には、青色申告の方が圧倒的に有利といえるでしょう。
青色申告の申請方法と期限
青色申告を利用するには、事前に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
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提出先:納税地の所轄税務署
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提出期限:原則として 申告を始めたい年の3月15日まで
初めて事業を開始した場合は、事業開始から2か月以内に提出するのが原則です。
まとめ
青色申告は、確かに記帳や管理に手間はかかりますが、
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最大65万円の特別控除
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赤字の繰越控除
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家族への給与を経費にできる
といった節税効果が非常に大きい制度です。
「白色申告より手間がかかるから…」と敬遠するよりも、会計ソフトや税理士のサポートを活用しながら青色申告を選択するのが賢い選択肢といえるでしょう。
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